訪問日:2016/5/7
近頃仏像に興味を持ち始めた。
その切欠となったのが横浜で偶然立ち寄った「円空・木喰展」であり、今ではヤフオクで円空仏を購入するまでに至る。
円空とは江戸時代前期の仏像彫刻家であり、簡素ながらも荒々しい作風で知られている。
仏像の多くは庶民に向けたもので、諸国を廻りながら生涯に12万体の仏像をを彫ったと言われる。
有名寺院の国宝級の仏像とは違い、円空仏はもっと庶民に近い気軽なものとして扱われ、子供が仏像で遊んで擦り減ったものも少なくない。
今では民芸品的な芸術性を評価され、多くの愛好家を生む。
円空について調べている際、
「大間々に巨大な円空仏がある」
と情報を得て、早速訪れてみる事にした。
巨大な円空仏が見られるのはここ、大間々の円空茶屋。
円空茶屋は焼きまんじゅうなどを販売するドライブイン的な施設だが、オーナーの趣味で施設内には円空仏で溢れている。
そして建屋右手側に妙な建造物こそ巨大円空物を奉る仏殿である。
一つ補足しておくと、ここの巨大仏は「円空っぽく彫った仏像」であり、作家は円空ではなく一般の方である。
建物に近づくと巨大円空仏の全貌が露わになった。
こいつはデカい、めちゃくちゃデカい。
正式名称を「あかがね薬師如来」と言い、高さは8.8m、日本一高い木造仏である。
完全な一本の木から彫られ、聞いた話によると材木はアメリカから取り寄せ、その費用だけでも数百万円も掛かっていると言う。
完成は平成9年、割と新しい。
結構円空仏っぽい!
しかしながらこのサイズが木彫りとは、にわかに信じがたい大きさである。
広場にはそこそこ大きい不動明王も鎮座していた。
話は違うが、路地裏でこの不動明王と鉢合って急に襲ってしたら凄く怖い。
こいつは円空っぽい!
私は円空と言えば不動明王のイメージがあるのでこちらの方が好き。
荒々しくも味のある円空の作風、もちろん円空本人が作った仏像ではない。
広場の仏像を後にし店内で休憩、焼きまんじゅうを食らう。
- 焼きまんじゅう1串:150円
- あん入り焼きまんじゅう1串:250円
を注文。
餡入りは久々に食ったけど、やっぱり焼きまんじゅうは何も入ってないノーマルが一番美味い。
焼きまんじゅうの他には焼きそばやタコ焼きを売っている。
店内にも円空仏がずらり。
これらの作品は「円空仏彫刻会」が制作したもので、以前は定期的に集まっていたようだが現在は高齢化等々の事情で休止中との事。
作品の一部を掲載させて頂く。
いやはや見事と言わざるを得ない出来栄え、本物の円空物と言われれば信じてしまいそうだ。
こちらは簡易円空仏。
生涯作品数が多い円空の作品はこのように極限まで簡略化した仏像も多かった。
ふと、展示台の下の欄間が目に付く。
・・!?
なんだこれ??!??
超精巧な透かし彫りの欄間、しかも一枚もの。
あまりの細かさに息を飲む。
店員さんに「どこで入手した物か」を聞くと、「中国で買った」と教えてくれた。
具体的な金額は聞かなかったが、結構お高く、結構古いものらしい。
こんな無造作に置かれちゃ誤って蹴っ飛ばしそうで不安である。
ともあれ、右も左も円空仏まみれの円空茶屋でした。
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