訪問日:2021/9/4
この日は桐生歴史文化資料館で「桐生、大間々の温泉」という企画展を見に来ていた。
展示内容は満足した私は意気揚々と資料館を出るが、外はまだ明るく帰路に就くにはまだ早い。
夏が過ぎて少し過ごしやすくなった秋空に引かれるように、久々に桐生の街中をぶらぶら歩いてみることしにした。
桐生の街並みは年季の入った個人商店が連なりかつての栄えた繁華街の姿を偲ばせる。
街を行き交うのは車ばかりでシャッターの降りたアーケードには人の姿は少ない。
16時前となり、どこかで一息付こうと前から気になってた喫茶店にでも入ろうと思った。
喫茶店の場所は「桐生ガスプラザ」と呼ばれるビルの中。交差点に面したガラス張りの建物の中央部には大きな時計が設置されこの通りの中心的な役割をしている。
無機質な外観はコンベンションセンターのようで、まさか館内に喫茶店があるとは思えない。
が、入口のガラス戸には「喫茶ガス灯」と、お洒落なネーミングのサ店の存在を間違いなく確認できた。
館内は人の気配はなく何とも入りにくい雰囲気。ええいままよ、覚悟を決めて「桐生ガスプラザ」の館内に単身乗り込んだ。
桐生ガスプラザの館内はその名の通り、ガス機器のショールームとしての役割を果たしている。
様々な種類のガスコンロや家電製品が展示され、その説明をしてくれるスタッフが数人暇そうにスタンバイしていた。
店内のお客は今のところ私のみ。視線は私に集まらないまでも意識は私の方に向いているように思う。
勝手に居心地の悪さを感じてみたが、取り敢えず目的の喫茶店に向かう。
喫茶ガス灯は館内1階の観葉植物で囲まれた一角にある。
私は店員さんに軽く会釈して窓際の席に腰を降ろした。
メニューはあんみつを中心とした和風の甘味処。
名物の「ガス灯豆かん(510円)」を注文した。
豆と小豆と寒天とアイスに黒蜜をかけて食べる。
緑茶も付いてちょっと一息にはちょうど良いメニューだ。
豆は塩気があり、黒蜜や小豆の上品な甘さを引き立てる。
寒天は食感がよくアクセントとなってくれる。
つまり美味い。
私は生クリーム信者なので洋菓子派だが、たまには和菓子も良いもんだ。
何だかとても落ち着く味だ。
桐生ガスプラザの2階は桐生FMの放送局になってるらしく、館内にはラジオの音声が絶えず流れている。
放送に耳を傾けながら、街の雑踏を眺めて過ごす時間。
始めこそ居心地の悪さを感じたものの、こうして腰を据えて緑茶を飲むとどうにもしっくりくる。悪くないな、むしろ居心地が良い。
のんびり食べ終わる頃には窓の外は薄暗くなっていた。
お会計をしてガスプラザ館内を見学すると鉄道模型があった。
見たところ、わたらせ渓谷鉄道がモデルとなっているようだ。
出来の良さに感心してじっくり眺めているとガスプラザのスタッフが電源を入れて鉄道を動かしてくれた。
わ鉄は元気よくケージ内を走り回る。
館内に流れるFM桐生のラジオ音声と共に、鉄道模型のモーター音が静かに鳴り響いていた。
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