訪問日:2013/11/16
日本自動販売システム機械工業会による自販機わくわくミュージアムは2018年12月をもって閉館しましたが、展示品はサンデンホールディングスに引き継がれ2019年2月にリニューアルオープンしました。団体のみ予約可。要問合せ。
自動販売機や空調機器の製造を行うサンデン株式会社。
生産拠点を前橋市粕川に構え、この地で国内外の自販機を供給している。
2012年春に日本自動販売機工業会が主催し、サンデン赤城事業所敷地内に日本初の自動販売機の博物館がオープンした。
博物館の開設は最近であるが、サンデンでは以前より地元の小中学生を社会見学として受け入れている。
サンデン赤城事業所はサンデンフォレストと呼ばれる広大な森林を有し、大規模ビオトープや近自然工法での開発により自然と共存した事業を行っている。
森には多様な植物や昆虫が生息し自然体験の場としても利用されて、かく言う私も小学生の頃に社会科見学で訪れ工場内や森林を見学した記憶がある。
国道353号沿いに入口の看板が見える。
入場の際は事前に公式ページで予約してください。
車のまま敷地内に入ると行く手をゲートに阻まれる。
インターホンで予約した旨を伝えるとゲートが開いた。
案内板に促され駐車場に車を停めると入口っぽいのが見えた。
いざ入場!
建屋に入るとぐんまちゃんが迎えてくれた。
群馬Bスポ管理人とぐんまちゃん、夢の共演を果たした。
あと自販機くんが迎えてくれた。
長方体に手足を生やしただけの雑な・・いやシンプルなデザイン。
そして名前が「自販機くん」て、無機質にも程がある。
写真に友人の影が写っても気にしない様子に、私の自販機くんへの関心の度合いが覗える。
シンプルながらも愛着のあるぐんまちゃんの完成度の高さを改めて思い知った。
ミュージアムは担当の職員さんが付きっきりで案内、説明してくれる。
日本自動販売機工業会の職員では無くサンデンの職員さん。
写真は世界最初の自販機のレプリカ。
紀元前215年頃にエジプトのヘロンさんが考案した聖水の自動販売機。
硬貨を投入すると天秤の受皿に落ち、その重みで反対側の出口の栓が持ち上がり、受皿の傾きが元に戻るまで水が蛇口から出てくる仕組み。
天秤と便所のボールタップを合わせたようなイメージ。
昔の人は賢いなぁと感心したもんだ。
続いて自販機年表。
日本では1904年に俵屋高七が切手の自販機を製作したのが最古とされる。
年表を見て驚いたのが、500mLペットボトルの自販機が登場したのは1997年と意外と最近であった事。
昔は1.5Lのペットボトルが自販機で売られていたが今ではすっかり見なくなったなぁ。
順路を進むと、貴重な古い自販機から現代の最新式自販機までが展示されていた。
自販機工業会が収集したらしい。
ガムの自販機。
1個20円也。
紙コップジュースの自販機。
タンクに粉末と水を入れ、上部の噴水で混ぜながらジュースを作る。
コーヒー自販機の移り変わり。
1962年製の自販機では内部にコーヒー、ミルク、砂糖がセットされ、ボタンを押すと混ぜ合わされコーヒーが作られる。
1970年になるとミルクや砂糖の有無を選択できるように。
そして1979年になるとコーヒー豆を挽いてドリップできるようになった。
左がコカコーラの普及を目論んだアメリカが日本に大量に導入した自販機と、追いつけ追い越せで真似したサンデン製の自販機。
時代は現代へ。
法律で省エネ目標値が設定され、各企業の技術者が身を削る思いで新技術の開発に勤しむ。
20年前と比べると消費電力量が70%も削減されてると言うから驚きだ。
普段見る事の出来ない自販機の側面。
自販機内の全ての商品を温めると効率が悪いので最低限だけ温める。
じゃあ連続で買うと冷たくなるのかというと、そこはいい感じでコンピューター制御されていてそんな事は無いとの事。
硬貨を識別するコインメックの事をあれこれ聞いてみたが詳しくは担当者も知らない企業秘密らしい。(コインメック製造は富士電機)
ちなみにコインメックは撮影禁止。
500ウォンが投入出来た頃はかなり苦労したらしい・・。
災害時に前面の扉を開放することにより停電していても商品を取り出せる。
これも災害対策用の自販機。
停電時はハンドルを回し発電し商品が購入できる。
この日は我々の前に3組の見学者が居たそうだ。
小中学生だったり、企業の見学会だったり、一般の人だったり、幅広く訪れる。
中には相当な自販機マニアも来るらしい。
直接担当の職員が説明してくれるので根掘り葉掘り質問できて勉強になったが、職員さんが時間を割いて説明してくれるのでちょっぴり申し訳なさも感じる。
お忙しい所ありがとうございました。
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