訪問日:2016/5/7
大間々町にある高野山真言宗自音寺。
ここでは四国八十八箇所巡り、いわゆるお遍路さんを簡易的に巡礼できると言う。
群馬県民において馴染みの深い霊場巡りと言えば「坂東三十三箇所」であり、第15番の白岩山長谷寺や、第16番の五徳山水澤寺が群馬県内の有名な観音霊場として知られている。
また、埼玉県秩父市に点在する観音霊場と巡る「秩父三十四箇所」は隣県であるが故に交通面で巡礼が容易であり、こちらも群馬県民の巡礼者が多いだろう。
そして「坂東三十三箇所」「秩父三十四箇所」に「西国三十三箇所」を合わせた霊場を「百観音霊場」と呼び、やはり当県では四国八十八箇所よりは馴染みが深い。
この「百観音」は関東圏で信仰が篤く、一つの場所に100体の観音様を集めて簡易的な百観音霊場巡りが体験出来る場所は、寺院の境内や修験の山中などの多くの場所で見られる。
このように「ミニ百観音霊場」は多くあるのに「ミニ四国八十八箇所」は群馬県では殆ど見かけることがなく、
そんな事から「こいつぁ珍しいな!」と興味を持ち、ミニ四国八十八箇所(ミニお遍路)の巡礼が出来る大間々の自音寺へ訪れた。
駐車場に車を停め、まずは本堂を参拝。
そしてお遍路の案内板に従い境内を進む。
お遍路出発地点には弘法大師がおられ、これから始まる八十八の巡礼の旅路を見送ってくれる。
そもそも、お遍路というのは弘法大師の足跡を辿る巡礼の旅、ここに弘法大師像があるのは心強い。
それではお遍路スタート!
まずは、1番~23番の「発心の道場」。
1番~23番は阿波(徳島県)にある霊場、ここで信心を起こします。
第一番、霊山寺。
境内の巡礼路に沿って石仏が鎮座し、四国の実際の霊場の砂が石仏に納められている。
私は寺社仏閣に御利益を求めないタイプの人間なのでどうでも良いが、自音寺のミニ巡礼でも実際のお遍路の巡礼と同等の御利益があると言う。
本場のお遍路は歩いてひと月掛かるが、ここでは霊場が次々に現れダイジェストばりにサクサク進んでいく。
第九番、法輪寺。
石仏も本尊に即した姿をしており、法輪寺では写真の石仏のように釈迦の涅槃像が祀られている。
新緑の境内を歩く巡礼の道。
規模は小さいが、だんだんと心が落ち着いてくる。
続いて「修行の道場」
24番~39番は土佐(高知県)にある霊場、ここで仏道を身に着けて善行を積みます。
第三十番、善楽寺。
緑の木漏れ日が気持ち良い。
修業の霊場が終わり、坊主に次の霊場に案内される。
ゆっくり、と書いてあるが実はサクサク進んじゃってます。
お次は「菩提の道場」
40番~65番は伊予(愛媛県)にある霊場、ここで煩悩を断ち切ります。
第五十九番、国分寺。
第六十四番、前神寺。
一切の煩悩を断ち切り、無心で歩く。
するとあっという間に最後の霊場、「涅槃の道場」が見えてきた。
66番~88番は讃岐(香川県)にある霊場、ここで悟りを開きます。
涅槃の道場は極楽浄土の如く多様な花が咲いていた。
第七十五番、善通寺。
八十八箇所まで残りは僅か、巡礼の終わりは近い。
第八十四番、屋島寺。
短いようで長かったお遍路の道、終わりが見えてきた。
そして遂に迎える最後の霊場、第八十八番、大窪寺。
四国八十八箇所結願を果たす。
こちらこそ、ありがとうございました。
小さな小さな巡礼の旅、僅か数分ではあったがそこはかとない達成感を得られた。
「お遍路に挑戦したい」という願望は日本人なら誰しもが持つ感情であるが、私を含む東日本の人間には立地面や費用面でなかなかお遍路に挑戦するのは難しい。
今回こうしてミニお遍路を体験したが、やはりいつかは四国を歩いて八十八箇所を巡りたいと、改めて思うのであった。
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