訪問日:2020/2/2
コンニャクの名産地と言えば下仁田を思い浮かべがちである。
しかしその実態は今では少し異なり、加工工場は西毛地域に広く分布するものの、コンニャク芋の生産自体は渋川以北の北毛地域からの供給に頼っているのが現状だ。
少し歴史を紹介すると、本来コンニャク芋は非常にデリケートな作物であり、下仁田や南牧など西毛地域の痩せた山の斜面でしか栽培することが出来ない。
その為に下仁田や南牧では深い谷間に石垣を組んで段々畑を築き、かつては「黒いダイヤ」と呼ばれるほど高価で取引されたコンニャク芋の栽培をすることで興隆を極めた。
そのような背景から下仁田を中心とする西毛地域がコンニャクの名産地として名を馳せたものの、時代が進んだ現代では品種改良が進み、平地でもコンニャク芋の栽培が可能になってくる。
すると生産効率の悪い斜面での栽培は廃れ、西毛地域から取って代わるように北毛地域での生産が現代では主流となった。
北毛地域、とりわけ渋川市ではコンニャク芋の栽培が顕著であり、現代のコンニャク産業の源流を下支えしているのは間違いのない事実である。
しかし渋川がコンニャクの名産地とは一般的には知られてなく、北毛で収穫されたコンニャク芋が西毛に運ばれて加工され、下仁田名産を銘打って持て囃されるのが現状である。(渋川出身者の嘆き)
前置きが長くなったが、隠れコンニャク名産地である渋川市の「上州村の駅」でこんにゃくグルメを食べたいと思う。
上州村の駅は要は直売所、新鮮野菜や各種加工品の販売をしている。
しかし侮ることなかれ、巷ではあまり見かけない妙に気が利いた商品はどれも目移りするものばかり。
意外にも常に繁盛しているのだ。
普通に買い物しても楽しい場所だが今回はこんにゃくグルメを食べに来た。
直売所内の「上州こんカツキッチン」へ突入する。
注文するのは
「渋川こんカツライスバーガー(400円)」
こんカツとはコンニャクを揚げた風変りな代物、果たして美味いのか・・!?
そして「こんたぴ(400円)」も注文する。
タピオカの代わりにコンニャク玉が入った、昨今のタピオカブームに対する群馬からの刺客。
コンニャクを使うとは最早これは郷土料理、群馬的にタピるぜ!!
こんカツは注文してから揚げるので数分待っての提供となる。
持ち帰っても良し、直売所のイートインコーナで食べても良し!
そんなこんなで完成!いざ実食!!
あらヤダ、こんたぴ可愛い、お花が付いてる。
私が頼んだのはストロベリー味。
よくかんまして飲んでくんない、との事だ。
コンニャクは炭で着色したのだろうか、ほんのり甘く、タピオカより噛み応えがある。
つまり美味い!そしてオシャレ!!
それでは渋川こんカツライスバーガーはどうだろうか。
見た目はカツっぽいが中身はコンニャクなのだ。
もぐもぐ。
おっとコンニャクが出てきた!
味はコンニャクの味、コンニャクの味がする!!
豚カツに比べると物足りなさはあるけどソースがご飯とよく合って美味い。
独特な食感を楽しみながら完食!
コンニャクはヘルシーなので、もし食べ足りなければフードコートに併設される「惣菜工房いしぜき」で各種定食も食べるのも良いだろう。
メニューは豊富でお手頃、どれも美味しそうで迷うものばかりだ。
何せこの店は渋川市民ならお馴染み、あの「いしぜき」なので安くて美味いのはお墨付きだ。
満足して店を出ようとするとコンニャク芋のUFOキャッチャーを発見。
プラ製のコンニャク芋が取れるとバケツ入りコンニャクと交換してくれるようだ。
さすが渋川、隠れコンニャク名産地!!
渋川はコンニャクの名産地、それだけでも覚えて帰ってくださいね。
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