訪問日:2014/9/20
日本三大奇勝の一つに数えられる妙義山。
妙義山の東面中腹には、白雲山を御神体とする妙義神社が鎮座している。
奇石、奇峰の荒々しい妙義山を背に、西暦537年の創建以降、妙義神社には山岳信仰の霊場として多くの参拝客が訪れる。
そんな妙義神社だが、2007年に台風による土砂崩れの影響を受け、本殿に繋がる階段以降は復旧作業のため立入禁止となっていた。
立入禁止の期間は長く続き、台風被害から5年後の2013年12月にようやく本殿が一般公開される事になった。
私は何度か妙義神社に訪れているが、今回が初めての本殿での参拝となる。
重要文化財の塊の妙義神社では全てが見所と言える。
豪華絢爛で荘厳な社殿には職人の技巧が散りばめられ、小さな装飾の一つをとっても見事と感心するばかりだ。
社殿の海老虹梁や欄間の彫刻がとても凄い。
しかしそんなことは分かっているのだ。
ここは敢えて、普段あまり取り上げられない箇所にスポットを当てて行きたいと思う。
上の写真は柱に彫られていた細かく丁寧な彫刻。
派手で大きな彫刻ばかりに目を奪われがちだが、目立たない小さな場所にも職人の妥協のない仕事がいたる所で発見できた。
銅灯籠の彫刻。
こんな感じで細部まで見てると様々な発見がある。
それこそ全部見てたら埒が開かないくらいだ。
と、ここまでだったら当サイトで紹介しようと思わなかったが、とある脇障子の彫刻に心を奪われ掲載を決めた。
それがこの脇障子。
拝殿から本殿を仕切る囲いにある彫刻。
竹林七賢人と呼ばれる。
この彫刻、なんか青春を感じません?
青春の1ページみたいな。
例えるなら、
ガキの頃からの仲間たちと飲み屋での一枚みたいな。
またはおっさんたちの無計画な旅のワンシーンみたいな。
見てて楽しくなる。
私の周りにこの写真を見せてもあまり共感を得られなかったが、個人的にはとても良いと思う。
何度見ても素晴らしい、青春の彫刻だ。
・・・・いいと思いますよね?
先程は本殿左側の脇障子。
こちらは本殿右側の脇障子。
楽しそうな様子が伝わって来るではないか!
この彫刻、竹林の七賢がモチーフとなっている。
竹林の七賢とは、中国・魏の時代に竹林で酒を飲んだり清談を行ったりした七人を表し、俗世離れした自由奔放な発言をして気ままに過ごしたとされる。
(※七賢は偉い知識人で気ままな発言は命がけの政治批判だったと言われる)
と言う訳で、本殿左側の脇障子に4人、右側に3人の、合わせて七人の賢人が彫られている。
七賢の歴史的背景は置いておくとして、私はこの彫刻に一目見たときから惚れこんでしまったのである。
妙義神社に訪れた際は要チェックの彫刻。
その他、あまり取り上げられない細かい見所を何点か紹介。
まずは石垣。
高い所では10メートルもの高さのある石垣は妙義山の安山岩を用いて築かれたもので、隙間の無い積まれ方には石工の技術の高さが見て取れる。
そして写真奥に見える銅鳥居。
これも割と珍しい鳥居。
鳥居の足元には銅造りの獅子があしらわれている。
鳥居の珍しい装飾として、神社関係の書籍やサイトでは度々登場する妙義神社の銅鳥居。
訪れた際には見逃さないようにご注意を。
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「ちょっと通りまーす」
「あ、どうぞ」
随身門の鬼もちょっと面白かった。
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