訪問日:2014/10/11
この日は先輩と薗原湖へ出かけた。
魚釣ったり、カヌーでぶらぶらしたり、川遊びしたりと、そんな予定。
夜明けと共に出航し、我々は気ままに湖上を漂っていた。
先輩が呟く。
「そういえば、対岸にキャンプ場があるらしいね」
「え、薗原にキャンプ場なんてありましたっけ?」
「古い案内板には書かれてるんだよ」
看板に示された場所は車ではアクセス不能。
ネットで検索しても情報は見つからず、私もキャンプ場の存在を聞いたことが無い。
まあ時間はたっぷりある、カヌーを使って湖から謎のキャンプ場を探してみる事にした。
薗原湖の岸辺は険しく、キャンプ場がありそうな場所は少ない。
しばらくゆらゆらと彷徨っていると、怪しい平地を発見した。
果たしてここが謎のキャンプ場なのか・・。
カヌーを固定し上陸。
低木を掻き分け森へと立ち入ると・・。
うわあああああああ!
キャンプ場見つけたああああああ!
いやこれ怖ぇよ(T T)
薄暗い森の中には十数件のバンガロー(?)が設置されていた。
広範囲にポツポツと建てられ、それぞれ色や大きに微妙な違いが見られる。
大きさはなんとか2人が寝転がれる程度。
なんだか気味が悪い。
潰れた小屋も多数見られる。
このキャンプ場はいつの物なのか、どのように使用されていたのか、情報に乏しく真相を知る事は出来ないが「キャンプ場は存在する」というのは事実であった。
小屋を観察してみる。
一軒一軒名前が付けられていたのか、名札のような物が掛かっていた。
小屋に触れると手の平に痛みが走った。
良く見ると釘が何本も露出しており、気づかず手に刺さってしまった。
当時はファンシーな色合いだったのだろうが、現在では錆が浮き、禍々しい印象を受ける。
小屋内部の撮影。
それほど状態は悪くない。
動物の糞がチラホラ見られた。
何か発見があるかもと、残留物の調査を行う。
コカコーラの空き瓶。
トイレ。
うおっ!!
ちょっと勘弁してよぉ。
不意打ち食らって悲鳴を上げてしまった。
これは・・・鳥居?
柵や看板など他の用途を考えたが、どう見ても鳥居にしか思えない。
言われてみればではあるが、鳥居のある辺りは少し地面が高くなっており、当時祠があったような雰囲気を感じる。
転がっていた木の板を何気なくひっくり返すと、なんと当時の看板を発見した。
当時の様子を表す貴重な情報。
以下、看板引用。
キャンプ場許可票
許可番号:利?管第6号
河川名:利根川水系片品川左岸
場所:利根郡利根村大字穴原字上棚1000
目的:キャンプ場(天幕及バンガロー)
期間:昭和50年4月1日 53.3月31日
占有者:薗原ダム観光株式会社
※文字が潰れているので間違ってる可能性有り
期間が昭和50年から53年となっている。
許可期限を更新してないとすれば、平成の時代に入る前に閉業した事になる。
薗原ダムの竣工が昭和40年なので、ダム建設後にキャンプ場が作られた筈だが、ダムの満水時にはキャンプ地のすぐ近くまで水が迫る事となり少々危険に感じる。
寛ぎながら先輩は言う。
「ここは人来ないしキャンプの穴場だねぇ」
いやいや無理でしょどう考えても。
こんな場所じゃ絶対に寝られないすわ。
実は薗原ダムはとても有名な心霊スポット。
「薗原ダム」で検索すると心霊の話ばかり出てくる。
私も夜中に赤い橋を渡ったりダム周辺を歩いた事があるが、霊感は零感の私としては何も心霊的な怖さは何も感じなかった。
ただこのキャンプ場跡は物凄く嫌な感じがする。
夜中はもちろん来たくないが、昼間でも二度と来たくない。
心霊マニアの人も多分ここはヤバいと思う(というか足場が悪いので夜は危険)。
今回は湖からアクセスしたが、実は徒歩でもキャンプ場まで来られるようだ。
赤い橋を渡って少し行くと左手側に細い山道があり、そこを進めばキャンプ場に辿りつける。
まあでも行かない方がいいです。
気味の悪いキャンプ場を脱出し、綺麗な薗原の湖を見て心を癒す。
鏡面となった湖を見ながらゆっくりとオールを漕ぐ。
はあ、生き返った気分。
鏡面の岩肌。
カヌーから見る薗原湖は、いつもとは違った幻想的な一面を見せてくれた。
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