訪問日:2020/9/6
群馬県は全国的に見ても古墳の数が多い。少しドライブすれば畑の中でポコポコお山になった古墳がそこかしこにあるのが分かる。
だかが群馬県民は古墳なんて見飽きてて、その凄さも分からないし今更改めて見に行こうとも思わない。
が、大人になってから行くと当時は気が付かなかった素晴らしさや偉大さを再発見できるのだ。
訪れたのは前橋市総社古墳群の蛇穴山古墳と宝塔山古墳。
ここはアクセスが非常に容易で、ナビでは「前橋市総社歴史資料館」と入力してそこの駐車場に停めればOK。その資料館を挟むように蛇穴山古墳と宝塔山古墳が盛り上がっている。
なお、資料館は無料で入れるので事前に古墳の勉強するもの良い。
これらの古墳の何が凄いかって、石室の石材加工技術の高さが凄いんだ。
蛇穴山古墳と宝塔山古墳も石室の中に自由に入ることが出来る。
もっとも、石室に入れる古墳は群馬県では珍しくないが全国的には非常に珍しい。ましてこれだけ貴重な遺跡に自由に出入り出来るのは色々心配になってしまうほどだ。
まずは蛇穴山古墳から。
形状は四角形の方墳、よく見る前方後円墳より後の時代、8世紀頃のものと言われる。
つまり末期の古墳となり、古墳時代初期と古墳と比べると大陸からの渡来人による技術の伝来でより洗練されたものとなっている。
石室の玄関を見ただけで凄さが伝わるだろうか。
まず巨大な切石が寸分の狂いなく組み合わさっている。
この入口の屋根の数十トンありそうな巨石なんてどうやって運んでどうやって乗せたのだろうか。
切石は単純に積み木のように重ねたのでなく、このようにL字の溝を掘ってより堅固に噛み合わせている。この精巧な石材加工技術、しかも固い安山岩をこのように加工できるとは・・。大昔は入口は閉口していたのだろう、入り口を蓋するように石板を嵌め込むための溝も彫られていた。
石室はワンルームの簡素な作り。だがしかし良く見ると驚愕する。壁や天井、それぞれが3mもある一枚の巨石で作られている。これは見事と言う他ない。実は私は小学生の頃の遠足でこの石室に入ったことがあるのだが、当時は凄さの欠片も理解できず「お墓こわーい」程度の認識だった。やはり多少の知識を身に着けた大人になってから再訪すると見方が変わるものだ。
さて、100mほど歩いてすぐ近くの宝塔山古墳へ移動する。
形状は三段式の方墳、蛇穴山より少し古い7世紀半ばに造られたとされる。
一辺の長さは約55mであり方墳としては全国的に見ても大きい。
入口、既に素晴らしいですね。
形様々に加工された切石がテトリスのようにピッタリ組み合わされてとても気持ちが良い。
通路上部に蓋をするように乗っかる石門も見事。どうやって乗せたんだ。
凄いね、ピラミッドの内部みたい。
天井もでっかい石材で組まれています。
側面の壁はテトリス式に組まれている。レンガみたいに組めば良いじゃんと思わなくもないが、このような複雑な形状の方が嵌め殺しになって強度が出るのだろうか。
石棺は家型で屋根や窓がある。
底部の格狭間形の切り抜きは仏教の影響を受けている、と説明書きに書いてあった。
にしても、国指定史跡を自由に出入り出来て、石棺もベタベタ触れるってのが凄い。
観光地としてのポテンシャルは激高だがあまり人は来ていないのがもったいない。
「古墳なんて見飽きたよー」と言うかもしれないが、特にこの二つの古墳は改めて見に行っても損はないと思う。
無論、周辺には他にも古墳が無数にあるので合わせて巡ってみても面白いかもしれない。
時間が無い人はこの蛇穴山古墳と宝塔山古墳に行けば取り敢えず満足するだろう。
群馬B級スポット トップページ